最近ガラスの仮面を読み返してるんだけど、やっぱり面白いなー、これ。
マヤ逆境→大胆な行動力で舞台オーディションに飛び込み→侮る舞台関係者に実力者がマヤの才能を解説→それを聞いた人間が「そんな馬鹿な…」と汗を流す→舞台で圧倒的な演技力で観客を注目させて人気者に→しかし再び逆境
の繰り返しで、エピソードがパターン化されているんだけど、これって黄門様の印籠みたいなものかな?そんなお約束が心地良い。
でも今読むと、昔はあまり理解できなかったマヤ嫌いの人の気持ちが結構分かってくる。
マヤって基本的に自己中なんだよね。
それに残酷なほど鈍感でもある。
お芝居のためなら他人の気持ちを考えることもできるし、人の心の動きに敏感になることだってできるんだけど、プライベートだとほとんどの事象を他人事のように考えている節がある。
それに周囲の状況が目に入らず、人を表面だけ見て接するもんだから、知らず知らずのうちに相手を傷つけてるって感じ。
作中にも相手が怒ったり否定するのを見て、やっと「そうだったんだ…」と気付く場面が何度か出てくるし。
その両極端な感性を持ち合わせているのが天才の特徴でもあると思うんですけど、でも周りの人達は…特に桜小路君や亜弓さんは、その感性に度々傷つけられてるんです。
梅の谷で、マヤへの嫉妬やコンプレックスをぶちまけた亜弓さんに向かって
「かわいそう…なんだか亜弓さんかわいそう…」と泣いた場面なんて
登場人物の中でマヤが一番好きな私まで「…この女〜」と思ってしまった。
でも、そんな嫌なところもひっくるめてマヤは魅力的だとも思う。
物語の中で「マヤには大衆を惹き付ける才能がある」って語られてたけど、それが読者にも十分伝わってくるのが、この漫画の凄いところだと思います。
…ところでいつ続きが出るの、ガラスの仮面。