テレプシコーラの一部完後に描かれたらしい、山岸漫画の「ヴィリ」を読みました。
…主人公の礼奈さんが、将来の千花ちゃんに見えた。
千花ちゃんが順調にバレエのキャリアを積んで大人になっていれば、こんな感じになったんじゃないのかなあって。
さすがに我が子には礼奈さんよりも、ちゃんと母として構ってあげるだろうなとは思うけど。
「己しか愛してなかったんだ」というテーマは山岸涼子さんの作品によく見かけるけど、今回のは特に露骨でした。
だって礼奈さんの心情描写があまりにも真っ直ぐ過ぎて。
普通ここまで心の弱さを抉る話だと、作者さん自身も心のダメージを負わないよう、ある程度描写を緩和しそうなもんなのに、そういうごまかし部分が全然ないっつーか。
恥ずかしさのあまりベッドでゴロゴロ悶えてる礼奈さんと一緒に、私も悶えたくなりましたよ、ほんとに。
後半のまさかの展開にはどうなるかと思ったけど、ああいうオチでちょっとホッとした。
この方の描く幽霊は相変わらず独特な怖さがありますね。さすが。
人の心の真の強さと成長は、まず自分の弱さを曝け出さないと培われないものなんだね。