可愛いタイトルの映画ですが、扱ってるテーマはけっこう深刻です。
両親の離婚に子供達が振り回されるお話で、コミカルな演出で物語を進めていくから
重い雰囲気ではないんですけど、人によっては観た後に暗い気持ちになるかもしれません。
アメリカの子供達って、両親が離婚して新しいパートナーと幸せになることに
半ば諦めの心境で「仕方ないよね。」と大人びた感性で割り切ってるイメージがあったんだけど、
この映画では小学生の弟はもちろん、高校生の長男とその友人でさえも離婚に大いに傷ついて、両親の男と女を匂わせるような言動と行動に嫌悪感を露にしていてびっくりでした。
離婚しても、両親はどこまでも僕達の父親と母親でいて欲しい、男と女の顔を僕達に見せないで欲しい。
そんな心の叫びが、主人公である長男から痛いほどに伝わってきました。
やっぱりアメリカの子供達も、表面ではクールというか合理的な捉え方をしてるようで、本音は日本の子と同じようになかなか割り切れないんだろうなあ。
「イカとクジラ」の意味は、クライマックスで明かされた後にラストでようやく姿を現すのですが、何故これがタイトルになったのかを考えてると、なかなか切ないです。