えーと、この映画の感想は。
パパは家族想いだなあ。
の一言に尽きる気が。
だって、序盤は異様な環境状態に置かれてるにも関わらず冷静だったパパが、妻と娘の危機が近づくにつれて取り乱していくんですもん。
苛立ちで相手に八つ当たりしたり、駄々っ子のように寝転んでジタバタしながら泣きじゃくってたり。
…なんかこの文章だけだと「なんじゃその軟弱男は」って感じですが。
しかしさすが家族想いのパパ。一家の主。
ラストではもう迸る程の家族愛を前面に出して、凄まじい強さを発揮します。
家族愛を強調する映画はよく見かけるんですけど、でもあんなに家族への想いがありのままに表現されてる作品って、そうそうないんじゃないかと思います。
心情の移り変わりがちょっとぎこちないかなとは思うんですけど、(CUBEの警官のような巧みな心情変化を目指してたのかな)
精神が強い者でも大切な物を失ってしまう危機に晒されると臆病になり、そして弱い者でも大切な物を守る為なら鬼のような精神力を発揮する。
そんな平凡な人の表裏一体の感情が、キチンと描かれてると思います。
愛ですねえ、愛。壮絶でした。
まあ実際のテーマは「今生きてることに感謝しろ」なんでしょうけれど。
え。
肝心の「衝撃的な結末」についてはどうだったのかって?
…すいません、実は私、その「衝撃的な結末」に驚くタイミングを失ってしまいまして。
なんつーのかな、裏をかこうとしてどんでん返しを積み重ねた結果、かえってインパクトが薄れてしまったというか。
発想自体はとても面白いと思うんですけど。
ただ外部の状況や主人公達の数々の回想を、言葉ではなくシーンで説明したせいで、それらが入る度にこの映画の持つ異常な緊迫感がプツプツと途切れてしまい、テンポが悪いと感じました。
勿論それらは物語において必要不可欠なものだし、仕方がないとは思うんですけど…。
狭い空間で展開される世界観を全面的に出した物語では、回想シーンや外部の状況のシーンを多用するのは向かないんじゃないかなあと思います。
でもパパ、サイレントヒル2のジェイムズにちょっとだけ似てて、にんまりしてしまった。
ちなみに。
さっきからパパのことをベラベラ喋ってますが、私のお気に入りはアダムです(笑)