実在するAV監督の半生を面白おかしく描いたドラマ。
評判は聞いていたけど、内容が内容だった為に観ることを躊躇ってましたが、Netflixのトップページにでかでかと宣伝されたのを機に、思い切って観ることにしました。
舞台は昭和55年の北海道。
主人公の村西は、当時、成績最低でクビ寸前の英語教材セールスマンでした。
嫁さんと子供2人と母親を養う為に必死な彼は、成績トップの先輩に教えを請うことになります。
そこで伝授されたのは、女に例えたセールストークのコツ。
早速実践した村西は、とんとん拍子に成績を上げ、会社からも一目置かれる存在になりました。
が、ある日のこと、公私ともに大きな悲劇が。
打ちのめされて不幸のどん底にいた彼は、ふとしたことで盗聴テープを売っているトシと出会い、それが切欠でアダルト業界の道へと進んでいきます。
村西はセールストークと斬新なアイデアでアダルト業界でも快進撃となりますが、警察や別勢力とも対立することとなり…。
そんな昭和のアングラな世界と主人公達が、生生しく描かれているこの作品。
完全再現された昭和の雰囲気とギラギラした色の演出を交えながら、軽快なテンポで話が進んで行きます。
なので、面白いかどうかと問われれば「評判通り面白い!」と即答できるんですが、やっぱり暗い部分に焦点を当てた物語なので、観てスッキリするという感覚は私には味わえませんでした。
ただ、今回ちょっとびっくりしたのは、ストーリーと演出の出来が少し日本離れしてるように感じたこと。
昭和っぽい重々しい雰囲気ではあるんですが、従来の日本ドラマの構成とは何かが違ってて、とても洗練されている。
カメラも結構動いてるし、海外ドラマと同じような演出でした。
そしてもうひとつ驚いたのは、主人公を演じる山田孝之さんの演技が凄く上手かったということ。
私は10年以上日本のドラマは観てないので、「勇者ヨシヒコでドラクエ5の主人公の恰好をしたらしい俳優さん」程度の印象だったのですが、今回彼の演技を目の当たりにして、今の若手?俳優にもこんな上手い人がいるんだと驚きました。
サラリーマン時代なんて決して派手な役どころでは無いのに、一番演技力の高さを感じたし。
これを観て、「勇者ヨシヒコもいつか観てみようかな?」という気持ちにさせられました。
とまあ、偉そうに俳優評までしてしまいましたが、このドラマは俳優さん達も演出も昭和の大きなパワーを表現しきってますので、昭和生まれも平成生まれも大正生まれも満遍なく楽しめるだろうなと思います。
でも、私にはアングラ耐性があまりないので、個人的に続きを観るのは躊躇しちゃいます。
まあ話は気にはなるので、また観ることができたら感想を書きたいです。
※追記。よーく考えたら4,5年前に「猫侍」観てた。