実在するAV監督の半生を描いたドラマです。
評判通り、面白いことは面白いのですが、エロシーンと裏業界の描写がどぎつい為、前回は2話でギブアップしてしまいました。
でも、前の感想で書いた通り、主人公達のキャラは立ってるしストーリー構成も従来の日本ドラマや映画と比べて抜きんでていたし、やっぱり続きが気になったのもありまして。
日曜日を潰して3話から8話まで一気に見ることにしたのです。
ということで、全話を観た感想はというと。
…何か3話から演出のテイストが違ってきてない?
でした。
2話までは海外ドラマのような演出やストーリー運びで、とても洗練された構成だと感じたんですけど、3話からは何故かコテコテの日本映画テイストに変わっていて、ちょっと戸惑ってしまいました。
そして、村西さん。
3話目からキャラが変わってない?
2話までは「女にボロボロにされた情けなさを持ちながら、営業トークと性癖を武器に裏業界へ殴り込む主人公」みたいな描かれ方だったのに、3話目でいきなり「女の扱い方が上手い男」属性がついたもんだから、観てるこっちは村西のキャラをまた把握し直さなければいけない羽目になりました。
一応、2話の最後から3話の始めの間に半年以上の時間が流れてるようなので、その間に村西は奥さんに逃げられたトラウマも克服し、女の扱いもレベルアップしたのだと言いたいのかもしれないけど、その過程がすっぽりと抜けてるように感じます。
1話や2話だと、どうやってセールストークを身に着けたか?とか、どうやってビニール本を売り込んだのか?など、その辺りを丁寧に描いていただけに、少しモヤモヤします。
もし2話までのノリがずっと続いていれば、その辺りの遍歴もきっちり描いてたんじゃないかなあと思ったり。
3話目から脚本家か監督が変わったのか、それともわざとテイストを変えたのか…。
この辺りは本当に謎です。
でも、それ以外の「小さな会社の仲間達でワイワイ仕事する楽しさ」に関しては、とても上手く描けていて、見てるこっちも楽しくなる程でした。
やっぱり凸凹な弱小メンバーで泥臭く這い上がる系の話って、いつの時代でも王道物だし惹きつけられちゃいます。
それと黒木香さんに関してですが、実は私、彼女がAV女優だったということを、このドラマで初めて知りました。
当時は私も子供だったので、単に「腋毛で有名な女優さん」程度にしか思わなかったんですね。
バラエティで話題にのぼる割には彼女をテレビドラマで一度も観たことがなかったので、当時はてっきり「過去に活躍した女優さんだったのかな?」と思ってました。
そりゃ彼女の出演作品を目にしなかったわけだ。観たら大変なことになってた(;・∀・)
ただ、ドラマを通して観る黒木さんは、キャラというか描写にイマイチ説得力が足りないような印象を受けました。
なんというか、彼女の内情をどう描けばいいのか迷ってるため、無難に表面をなぞってる感じ?
そういうのがあるのかなと思いました。
あとは、トシが本当に気の毒だった。
村西のことを思って行動すればするほど、闇の世界に取り込まれ抜け出せなくなっていく様は、見ていて辛かったです。
最後で村西から拒絶されたのは、彼がやらかしたことを考えれば仕方のない事とはいえ、もうちょっと救いがあればなあと思いました。
ちなみに、第二シーズンの製作が決定したそうですが、トシがますます悲惨な境遇と末路を辿りそうで、見るのがちょっと怖いと感じます。
更に、3話以降のノリがそのまま続くとなると、話のドロドロ具合もますます煮詰まっていきそうだと思ったり。
なので、全編を通して観ても「全裸監督は面白い!」と言えるのですが、第二シーズンも周りの評判を聞いてから、見るかどうかを決めたいと思います。