こつぶがゴロゴロ。

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アリータ:バトル・エンジェルの感想

 漫画「銃夢」のハリウッド実写化の映画。
原作を途中までしか読んだことの無かった私ですが、PVを観た時は「銃夢の雰囲気を再現できてる!」と驚嘆しました。
しかも、以前からターミネーター1、2のジェームズ・キャメロンが監督するという話を聞いていた為(結局違う監督が撮りましたが)、これは漫画の実写化で一番出来の良い映画になりそうだと大きな期待を抱いてました。

 

しかし、実際観てみると「う~ん…」と思う箇所がポロポロと出てくるような、そんな映画でした。

 

 アクションシーンは迫力があります。
グリュシカや他のサイボーグとの戦闘ではCGならではの派手な演出が上手いし、アリータ達の全身を使った立ち回りが丁度よい「引き」で見られるように撮られているし、カメラの切り替えを多用してアクションのマズさをごまかすようなこともなかったのも好印象でした。

 

 その代わり、アリータを始めとするサイボーグを演じた俳優さん達の本来の運動能力もありのままに撮られていて、「人間離れした動き」という印象が薄れたのが残念です。
突きや蹴り等の派手な動きの後、空手の型のようにビシッと「止め」ることができていたら見栄えが凄く良くなった筈なんだけど、ブレブレだったのがイマイチでした。
一方で、元格闘家の女性が主役を務めた「エージェント・マロリー」ではそんな部分も気にならなかったので、やっぱり格闘を生業にしてた人とそうでない人のアクションでは、こういうところで差が出てくるんだろうなと思いました。
 モーターボールの乱闘シーンは、CGとの合成が絶妙に噛み合ってる感じがあって良かったです。

 

 ストーリーに関しては、まず一番に思ったのが「なんでモーターボールに拘るの?」でした。
これ、多分原作を覚えている人ほど、そう思ったんじゃないでしょうか。

 今回の場合、アリータ達の設定が結構変えられている上、イドの元妻や亡き娘も登場し、序盤でモーターボールの練習をするというオリジナル描写を入れられてるしで、細かい設定が詰め込まれ過ぎてギチギチ状態。

そこにモーターボール出場のエピソードも詰め込んだものだから、「設定や状況を説明してるだけの場面」がずーっと続くようになり、それで話の緩急や起伏も無くなって、アリータ達の感情の移り変わりが薄っぺらなものに。

話のテンポは良いものの、軽やかすぎてダイジェストを観ている気分になりました。

もうモーターボール要素は続編に回し、原作通りマカクとの戦闘をメインに持ってこれば、テンポも丁度良い按排になったのではと思います。

 

後は最初から最後まで、ずっとBGMが流れてたのが気になりました。
無音の場面があっても良かったと思うんだけど。
アリータの大きな目も、目の周りの皮膚と頬の皮膚が連動しておらず、アップにすると違和感を覚えることがありました。


 今回は色々言ってますが、同時にこの作品を作った制作陣が銃夢をリスペクトしてるのはよく伝わりました。
再現したいシーンやキャラが多かったからこそ、全部詰め込みたくてああなったんだろうと感じるほどに。
なので、もし続編があるとしたら、雰囲気はそのままで、今度は話を急ぎ過ぎずに丁寧に追って欲しいなと思います。


 以上、銃夢を中途半端に知っている者の感想でした。
銃夢を知り尽くしてる人、または全く知らない人がこの映画を観たら、また違った感想が生まれるのかもですね。