こつぶがゴロゴロ。

映画とゲームと漫画の、主にネタばれ感想を呟いてます。

FF7のクラウドについてのキャラ語り

 

 昔からドラクエとFF、どっち派?と聞かれると、いつも困ってました。
何故なら、私は根っからのMOTHERシリーズ派で、ドラクエにもFFにも思い入れが皆無だったからです。
(それでも、ドラクエは2と5、FFは4~9とタクティスを遊んだことがあります)

ただ、そんな私でもFF7だけは例外で、MOTHERに匹敵するだけの思い入れがあるのです。(コンピレーションは除外)

 

FF7を好きな理由は沢山あります。
音楽のスケールが世界観と話にマッチしていたり、戦闘シーンのテンポが初の3Dにしては恐ろしく良かったり、ストーリーの視点が人間ではなくもっと高次の…星の目線で設定されている所など。
他にも良いところは色々あるんですが、その中でも私ががっつりハマった理由は、やっぱり主人公のクラウドが魅力的過ぎたからです。
今はRPGに一切触れてないので最近の主人公の傾向が分からないのですが、少なくともFF7が発売された当時は、クラウドのような主人公は見たことがありませんでした。
それだけ目新しくインパクトの強いキャラクターだったのです。

では、従来のRPG主人公とクラウドの何が違うのか?ということになるんですが。
簡単に言うと、クラウドが経験した挫折は物語的に決してカッコイイものではない、ということです。


 彼は幼い頃、ニブル山でティファを助けられなかったことが原因で、しばらく自暴自棄になります。
これがまず最初の挫折。
そんな荒れた生活を送っていたある日、ふとしたことで英雄セフィロスの存在を知り、ソルジャーになることで挫折から這い上がろうとしました。

この時点までは、他のRPGにもありそうな設定です。

でもクラウドって、その後に努力してもソルジャーになれなかったという2度目の挫折と、ニブルヘイム事件で大事なものを守れなかったという3度目の挫折を経験しているところが凄くリアルだなと思い、彼に感情移入したんです。
 
まず、普通のRPGなら、挫折といってもほぼ無条件に世間の同情を買いそうな類のものだと思うんですね。
例えば国を守りきれなかったとか、特殊な出生のせいで差別を受けたとか。
挫折と言っても、決して恥ずかしいとか、情けないとかいう類のものではない。むしろ物語的としては、アクセサリーになりうるものです。
(勿論、実際にそんな目にあった方にはアクセサリーなんて失礼なことは言いませんよ。あくまでゲームシナリオについての話です)

でもクラウドの場合は、そういうものに比べれば本当に庶民レベルの、恥ずかしくて隠しておきたいと思う類の挫折です。
そういうところが従来の主人公とは違う部分だな、と思うのです。

 それに、普通の人の人生なんてよっぽど恵まれていない限りは、大きなこと些細なことあわせて挫折を繰り返していくでしょ?
誰だって世間に出て上のランクを目指せば目指すほど、挫折する確率はそれだけ高くなるわけで。

クラウドはそんな平凡で夢見る人達の挫折やコンプレックスを、リアルに表現したキャラだと思うんです。


そんな彼のいいところはですね。
何度挫折しても、それでも歩き続ける根性だと思います。

幼少時代はティファを助けられなくて、少年時代はソルジャーになれなかった上に故郷と大事な人達を奪われて。
そして貴重な青春時代に監禁されて廃人にされ、その場所から脱出できたと思うと親友(CCの動画を見るとそう見えなかったけど)が殺されて。
ゲーム開始後も、自分の隠しておきたかっただろう願望やトラウマを、ジェノバ細胞のせいで他人にまで曝け出す羽目になって。
それ以外でも彼の身に次々と理不尽な出来事が降りかかり。
仲間達の助けがあったとはいえ、それでも彼はよく前を歩き続けることができたなと思うんです。

弱音を吐いたり躊躇したりしてても、結局は前に進むことを選択するクラウドがカッコよく思えます。
ほんと彼ぐらいですよ、プレイヤーに対して心の恥部を「どうだー!」とばかりに堂々とありのまま晒す主人公なんて。


更に2.5枚目なのもポイントが高い。
初心者の館の説明は勿論、蜜蜂の館に入る気満々だったり、ギャルの背中にオイルを嬉しそうに塗ってあげたりとか、彼の台詞回しや行動にはユーモアがありますし。

多面性が奇跡的なバランスで表現されたキャラクターだと思います。


 ところで、彼についてよく言われるのが、「前半のクラウドは本当のクラウドか?」ってことですね。
今はコンピレーションも出てるので、それと併せて解釈するのが主流なのかもしれませんが、あえて私は原作のみで解釈したいと思います。

前半のクラウドの性格は、5年前の彼そのまんまだと思います。
仕草と経験はザックスを真似ているようですが(コピーしたというより、回想でザックスが兵士に教えていたソルジャーの仕草を実践してたのだと思われます)、5年前の母との会話を見てみると、前半のクラウドと変わらない口調だったので、性格に関してはザックスやセフィロスの影響はないと思われます。

前半の彼は、ただ「ソルジャーになった自分」をロールプレイング、又はシミュレートしているだけなのでしょう。

 後半になるとクラウドは自分を取り戻しますが、そのときの性格はどちらかというと気の優しそうな感じが出ていて、前半とは少し雰囲気が違っています。

 それは、彼が前半よりも成長したからなんだと思います。
弱かった故に幼い頃から固く心身を強張らせていたけれど、強くなった今ではそんな必要はなくなった。
きっと今まで強く力んでいた反動で、弛緩しちゃったんでしょう。

 だからED後は、徐々に前半のクラウドの性格にまた近づいていくんじゃないでしょうか。
勿論、ACやKHみたいなクラウドではなく、本編の前半クラウドに大人の余裕を持たせたような、穏やかな雰囲気を付加した感じになるのではと。

 

 でもさらに謎なのは、クラウドの頭の中に話しかける声の正体や人形モードだった時の人格はなんなのか、でしょうか。
声に関しては多分、過去のことを知っている割にはクラウドをそそのかすような口ぶりからして、断片化した過去のクラウドの意識とジェノバ細胞の意思が融合したもの、もしくは彼自身の記憶をコピーしたジェノバ細胞だと思います。

古代種の神殿などに出てくるちびクラウドは、間違いなく彼の大本の意識だと思うのですが、人形の人格は、エアリスを殺されたり人形だと言われて動揺している心の隙を突いた、ジェノバ細胞の「他人の記憶に合わせて変化する」能力…いや、というより「他人の言動に合わせて」と言った方が正しいのかも知れません、それが新しい人格を作ったのだろうな、と。
 これについては、いずれ気が向いたら語りたいと思います。


※ちなみに、この文章は大昔にサイトで書いたキャラ語りを加筆修正したものです。
本当は新しくクラウドを語り直そうと思ってたんですが、昔の方が熱のあるキャラ語りが出来ていたので、もうこれでいいやと思って。