こつぶがゴロゴロ。

映画とゲームと漫画の、主にネタばれ感想を呟いてます。

ヒックとドラゴン  聖地への冒険 の感想

 ※初っ端から2と3のネタばれ全開です。前半は批判です。

 


 今月、ヒックとドラゴン3が公開されたと聞いて、私は下記の文章を書きました。

 

 私は、ヒックとドラゴンが大好きです。
1は勿論、テレビシリーズのDVDだって全部揃えたし、ネットフリックスに入ったのも、元々は「新たな世界へ」のため。
だから、完結編となる3も都合がつけば近いうちに映画館で観たいと思ってます。
 
ただ、そんな私でも2は未だにDVDを購入してません。
何故かといえば「つまらなかった」から。
単純な理由です。

 1の倒すべき敵は凶悪で強大なドラゴンでした。
2の場合、1よりスケールのでかいドラゴンは出てくるのですが、真の敵はそのドラゴンを操る人間です。
その悪役の人物が、操るドラゴンに見合う程の魅力的なキャラクターだとは、私にはどうしても見えなかったのです。
その為、強大なドラゴンと戦うシーンにもワクワクできませんでした。

また、ヒックの母親とドラゴンを捕獲する新キャラ(最後にストイックのドラゴンを譲り受ける男性)も魅力の薄さを感じてしまい、「ただストイックを殺すために生み出されたようなキャラ」という印象がぬぐえませんでした。
これならストイックを殺すにしろ、2人を出さない方が物語が引き締まったのでは?と思います。

 その他にも、ヒックとアスティの1からの急激なイメチェン(外見も内面も)等、ちょいちょい戸惑うところがあった為、私の中で「2は無かったことにしてもいいかな」という判断になったのです。
 
 でも、去年頃に海外版のヒックとドラゴン3の予告を観て、敵が再び人間であることを知りました。
そして母親とあの男性が出てくることも。
また2のような感じになるのかな?と考えると、映画館に足を運んでまで観に行くのを躊躇しちゃう私です。

 ということで、せっかくの完結編なのだし、観たことを後悔しない為にも3の新たな敵は2より魅力ある悪役であって欲しいです。
そしてトゥースとヒックとその仲間達の能天気(これ大事)なやり取りを、なるべくたくさん見られますように。

 


 しかし、これをUPした翌日にすぐ削除してしまいました。
2で感じた不満は、3で解消されるかもしれないと考えたからです。
予告編を見る限りだと2と大して変わらない印象でしたが、それでも自分の思い違いであることを祈りつつ、希望を持っていました。


 そういう経緯を経て、今回ようやく3を観ることができたのですが。
結論から言うと、2よりは若干良よくなったけど1には遠く及ばない、でした。
映像は確実に1より豪華なんだけど、心に刺さるものが無かったのです。


 話としては、2から1年後の設定。
ヒックと仲間達が、ドラゴンをハンターから救出し続けた結果、バーク島はドラゴンでぎゅうぎゅう詰めに。
そんな時、ヒックは幼い頃に亡き父ストイックから聞いたドラゴンの聖地の伝説を思い出し、バーク島の人々とドラゴン達でその場所へ引っ越そうと思いつきます。
早速行動を開始するヒック達ですが、その裏で高名なドラゴンハンターであるグリメルが、捕えていたライトフューリーを囮にしてトゥースを殺そうと画策。
トゥースとライトフューリーは出会ってから急速に仲を深めていくのですが、ライトフューリーの方は人間に囚われていたせいもあってか、決してヒック達に近づこうとはしません。
今までトゥースとずっと一緒であることを疑わなかったヒックは、トゥース無しでやっていけるのかという懸念と別れの予感に不安になるのですが…。

というあらすじです。


 でも…う~ん。
何で今回もラストはドラゴンを挟んだ人間同士の戦いになっちゃうんだろう。
せっかくの完結編なんだから、1のように「驚異的なドラゴン対ヒック&トゥースと仲間達」という構図に戻せば良かったのに…。
原作が元々そういう話だったということなら、まあ仕方ないとは思うんだけど。
私的には、今回もラスボスが脅威的なドラゴンではないところに肩透かしを食らいました。
話としてはまあまあなのだけど、スケール的にはテレビシリーズをちょっと豪華にしたようなもので、映画レベルではないと感じました。

 

 一応、トゥースが恋をして自立を望んだ時、ヒックがトゥース無しで一人前になれるのか?というのは、ヒックの成長物語として避けて通れない要素なのは理解できます。
もしもメスのナイトフューリーが他のドラゴンのように身近にたくさんいたり、あるいはライトフューリーがヒック達との共生を良しとしたのなら、トゥースもヒックと一緒のまま居られたと思うのですが、そのどちらでもなければヒックがトゥースに独り身を強いるという歪な形になっちゃいますしね。
(この辺、日本のペット事情…室内飼いにも通じるところがあるなと思います。)

 

 でも、その結論が何故「『全ての』ドラゴンと人間はまだ共存できる段階ではない」に導かれたのかの理由付けが弱かったと思います。
ヒックはともかく、アスティを始めとするバイキング達もラストでその考えに倣ったのが唐突に感じて。
作中に彼らとペアを組んでいるドラゴンとの間に疑問や葛藤する描写を入れていれば、あのラストもすんなり納得できたと思うんですけどね。

 

 今回はグリメルという新たな敵も登場するのですが、彼は子供の頃、寝ていたナイトフューリーを殺したことからヒーローと呼ばれ、名のあるドラゴンハンターになったという、ヒックとは逆の選択肢を辿った人物です。
ナイトフューリーをこの世から一匹残さず消すことを信条としており、トゥースを執拗に狙う悪役ですが、前作のドラゴよりはマシだと思えたものの、やっぱりインパクトがイマイチで。
テレビシリーズの悪役だったアルビンやダガー、フライヤーの方がよっぽど存在感のある魅力的な悪役だったように思います。

 

 更に、2で登場したヒックの母ヴァルカと元ドラゴンハンターのエレットが引き続き登場しますが、相変わらず何の為に出てきたのか、存在意義の薄いキャラクターでした。
一応、「別世界でドラゴンと人間が邪魔されずに暮らせるか?」の問題にはヴァルカが、グリメルの説明はエレットが担当という感じで割り振られていましたが、申し訳程度に触れるだけ。
今回はスノットを無理やり絡めてこの2人のキャラクターを味付けしようと試みたフシも見受けられるのですが、中途半端に感じました。

 

 それと、ストイックが人間とドラゴンが争わなくなるために「ドラゴンの聖地」を探していた、という設定。
1のストイックを考えると「えっ?」となります。
だってあの時の彼は村に襲来するドラゴン達を根絶やしにする為、ドラゴンの巣を探そうと船出をしていた筈でしょ?
あのストイックがそんな平和的な解決策を望んでいたのか?と思うわけです。
せめて「ドラゴンを聖地に封じ込める為」に探してた、という理由付けか、あるいは後にドラゴンをぶっ潰す思考に変わっていった理由を描いていたのなら個人的に納得できました。

 

 私的に1の話でカタルシスを感じられたところって、トゥース含めたドラゴンとヒックの相互理解の過程と、ストイックを始めとするバイキングとドラゴンとの和解だったんですよね。
その話にあの音楽がカチっとはまり、相乗効果を生んで奇跡的な感動を生み出してたわけで。

2と3は「どうしても解り合えない人間との潰し合い」という構図なので、そういうところがなんだかなあと思います。

 

 重ねて言いますが、2や3で描かれた、「ヒックの成長物語」と「人とドラゴンの在り方を描く」というテーマ自体は否定しません。
ただ、「ドラゴンを守る人間VSドラゴンの害になる人間」という構造だとしても、ラスボスは強大なドラゴンにすることはできたんじゃないかと思っちゃって。
まあ、これはもう個人的な嗜好になるのかもしれませんね。

 

 …などと、初っ端から批判だらけになりましたが。
勿論良いところだって沢山あります。
トゥースは相変わらず可愛いし、トゥースとライトフューリーが嵐の中を飛ぶシーンも割と迫力があって綺麗だったし。
ヒックやアスティ以外にも、スノットやタフラフが目立っていたのも好印象でした(その反面、フィッシュの影が薄かったような…)
特にタフが呼ばれてない結婚式に2回参加したという台詞とか、ラフのズケズケとしたお喋りでグリメルがうんざりするところなど、「新たな世界へ」のエピソードと繋がってるのを示唆してるようで、クスっとできたり。
あと、アスティが「あなたのおかげで私は変われた」という台詞には、「そっかー、2からマスカラとアイシャドーをつけなくなったのはヒックの影響だったのか」と思えたり(違)

 

 また、私のように1のカタルシスを求めているのではなく、純粋にヒックの成長物語や人間とドラゴンの正しい関係性の行方を追っていた人にとっては、それなりに納得できる結論に導かれた物語だったのではないかとも思います。
グリメルを倒した後に1の音楽が流れた時は、流石に気分が高揚しました。
あの曲は本当に良過ぎる。

 

今回の「聖地への冒険」は、「人間はまだドラゴンと対等に共生できるほど熟した存在ではない」という結論を出したものの、「熟すればいつかまたドラゴン達と共生できる」という希望も残して終わりました。
早い段階で…ヒックが生きている内に、そのような時代が来るといいですね。
それを願いながら、私もテレビシリーズやNetflixのシリーズを観なおして、人間とドラゴンがイチャイチャしてた頃の時代を懐かしみたいと思います。
勿論、3の後日談(クリスマスのやつ)も含めてね。
あれ観ると3の後は、ヒックだけでなくバーク島の人達も、たま~にドラゴンと交流してるのかも?という解釈もできて幸せになれるのでオススメ。