周りでの評判が悪かったので、どんなに酷い映画かと思いきや、意外にまとも。
舌足らずで日本人から見ればおかしい描写は多々あるものの、さゆりと初桃と豆葉は美しいし、四季を意識した背景も見事だし、まあ目で楽しめる映画もいいかな、なんて思いました。
ただ、中盤からラストへの盛り上がりが、不完全燃焼で終わってしまったのが残念。
序盤からの舌足らずな描写のツケが、後半の展開に響いてしまった感じです。
ちゃんと原作のように、老年のさゆりのインタビューシーンを入れて、彼女のナレーションを増やして状況や心情を説明してやれば、中途半端感はなくなったんじゃないかと思うんですけど…。
会長さんも、ラストに向かうにつれてどんどん魅力が落ちていっちゃったのがイタイ。
でも観てて途中で飽きてしまうということはなかったので、そこは良いと思います。
キャストの中で一番良いと思ったのは、おカボ。
工藤由貴さんは勿論ですが、幼少時代を演じた子役の女の子も、すごく存在感がありました。
コン・リーとミシェル・ヨーも、おいしい役どころであるとはいえ、きちんと演じきってたのが素晴らしいです。
さゆりを演じてたお二人は……何故か容姿以外で印象に残るものはなかったな。
原作では主人公に相応しい華があったさゆりだったのに。
脚本に問題があるのかは分からないけど、この映画での彼女には感情移入が出来なかった。本当に残念。