こつぶがゴロゴロ。

主にネタばれ感想を呟いてます。

守護神

 海難レスキューで200人の命を死の淵から救ったと噂される伝説の男、ベン・ランドールは、ある事件で心身ともに大きな傷を負ってしまい、そのリハビリを兼ねてエリート救助隊の養成所「Aスクール」の教官を勤めることになった。

訓練生の中には高校水泳の期待の星だったジェイクも混じっており、彼の傲岸不遜な態度にランドールは奇妙なシンパシーを感じながらも教官として過酷な訓練を課していく。

そして、ジェイクら訓練生が過去と葛藤しながら訓練に挑む一方で、ランドールも自分の中に事件のトラウマが根付いてることに気付き始めていくのだが…。

 海に飲み込まれようとする者を、己の命を危険に晒しながら救い続ける沿岸救助隊の物語。

巷では米国版「海猿」とも呼ばれているそうです。(ちなみに私は「海猿」、観てません。)

 とにかく、荒れ狂う海の中での救助シーンが圧巻。

しかも救助隊員があんなにうねりまくった波の中でも命綱無しでダイブするとは今まで知らなかったので、あのシーンには本当に驚きました。

生半可な実力と覚悟では絶対になれない職業なんですね、レスキュー隊って。

実際は一生物のトラウマになる場面に何度も遭遇するだろうし、遺族から激しく責められることもあるだろうし。

基本的に自己犠牲精神で、遭難者が求める奇跡を起こし続けるのがレスキュー隊。

だからこそ、訓練所で救助隊の「誇り」を徹底的に叩き込まれるのかなと思いました。

 ストーリーは、「ランドールの葛藤」という点から見れば、ほぼ完璧。

最初は訓練所のエピソードが長いせいで「これが映画のメイン?」と錯覚しかけるんですが、訓練生の卒業後にランドールが現場復帰したところでようやく主題に入り、物語が本格的に動き始めます。

オープニングからバンバン張っていた伏線を、ここで爆発させていくのです。

その勢いはラストまで止まりません。

なんかもう、監督や脚本家の「何が何でも伏線回収したるわーっ!」って意気込みが伝わってくるほどです。

それだけランドール関連のエピソードに隙がありません、この映画。

でもその反面、ジェイクや訓練生達に関しての描写が中途半端で、問題解決にしてもパンチが弱く感じたのが残念でした。

全体的にみると100点満点の映画ではないかなと思うけど、ストーリーはオープニングからラストまで無理なく綺麗に繋がっているし、救助シーンは手に汗握るような臨場感があるので、観て損はないと思います。

ラストはまさにタイトル通り、守護神でした。

でも個人的に某青春映画を思い出させるあのシーンはいらん。

今回、ランドールを演じたのはケビン・コスナーで、ジェイクを演じたのはアシュトン・カッチャー

元々ケビン・コスナーって好きじゃなかったんだけど、この映画で久しぶりに顔を見ることが出来て、なんだか安心しちゃいました。

なんだかんだ言って、私の中では80〜90年代を象徴するスターの一人だったんだなあ、と気付かされたというか。

アシュトン・カッチャーは…デミ・ムーアとはどうなったんでしょうか。