こつぶがゴロゴロ。

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ライフ の感想

ネタばれ感想。

 

 火星探査機が採取した土をISSで調べたら、単細胞の生物を発見。
初の地球生命体を確認したことで、ISSのクルーも地球の皆さんも大喜び。
その記念として、生命体は「カルビン」と名付けられました。
カルビンはすくすくと育ち、ついには生物学者のヒューとコンタクトらしきことも行えるようになり、そんな彼(?)の姿を見て、クルー達は感動もひとしおです。
 しかしある日、カルビンは自分を慈しんでいたヒューに対し、今までとは違う意思表示を行います。
実は、ヒュー達を親とも味方とも思っておらず、ただの捕食対象としか見ていなかった、ということを。

 

 

  真田広之さんの他、ジェイク・ギレンホールライアン・レイノルズなど、今をときめく俳優達が揃い踏みであるこの作品。

さぞかし画面がキラキラとした絵面になるのだろうとおもいきや。

そんな俳優陣のことを忘れる程の「地球外生命体にイライラする映画」でした。


ブロブ」や「遊星からの物体X」みたいに視覚的に凄いわけでもなくワクワクするような展開も無く、エンターテイメントとして見ると物足りない、そんな作品です。

 


 舞台が狭いISSの中ということもあってか、生命体との攻防も必然的にスケールの小さいものになっており、無重力状態でふわふわ浮きながら逃げたり抵抗したりするので、観ている方も苛々に近いもどかしさを感じるのと同時に、話の展開に締まりが無く間延びした印象を受けました。

 

 せめてISSの一部エリアにでも重力を発生させて(今の技術で可能なのか不明だけど)、その場所でクライマックスを迎えるようにしていればすっきりできたのかも。

 

 また、カルビンはタコをちょっとだけ大きくした程度の生物なのですが、その体長のせいか次々にクルーが襲われるシーンを見ては「なんでこんなチマチマした奴に人間達が翻弄されないといけないんだ」という気持ちになりました。

クルーを追い詰めるやり方も何となく意地の悪い人間を彷彿とさせるし、「こんな奴を人間の脅威と認めるのは癪だ」と思わせたんですよね。

人間側が友好的に接していたのに、カルビンはその好意を仇で返すような行動に出たように見えるところも、そう考えてしまった一因なのかもしれません。

 

人間達の脅威としては物足りない見た目だけど、しっかり人間を陥れて翻弄していくカルビン。

仮にSFパニック映画という認識無しで観ても、やっぱりイライラさせられることには変わりなかったんじゃ?とも思います。

 

 ただですね。
作中、ヒューが「カルビンに悪意はない、生存するために攻撃してるだけだ」と言ったり、また別の場面でミランダが「これは理性でも科学的でもない、あいつ(カルビン)が憎い」と言う場面があるのですが、これらの台詞から監督は、わざとカルビンに対してそんな気持ちを抱くよう、狙って作ったんじゃないかとも思います。

私たちの中にある無意識レベルの差別や一方的な好意の押し付け。
優位な立場にいる者なら誰でも抱きやすいそれらの感情を、あぶり出そうとしたんじゃないかと。

 観ていた私がカルビンを「恐ろしい地球外生命体」と認識する以前に「人の好意を無碍にした奴」だと思ってしまうのも、彼の最初の姿がいかにも「人間が庇護しないと生きていけない存在」に見えたからだろうし。
そういう意味で、考えさせられる映画でもありました。

 

 でも…。
監督が生物に対する人間側の驕りだとかを風刺する意図があるのなら、ミランダを宇宙に彷徨わせるラストはやめて欲しかった。
デビッドが地球の海に漂着するのはいいとして、ミランダは爆発か何かで死んでしまう展開で良かったのに、と思います。
だってあれじゃあ、ただ観客の心をかき乱したかっただけの、悪趣味なものにしか見えなかったんだもの。