こつぶがゴロゴロ。

主にネタばれ感想を呟いてます。

サイコブレイク2のネタばれ感想。

 発売から約2年後、やっとPS4を揃えてサイコブレイク2をプレイすることができた。
初回クリアをしたので記念にネタばれ感想します。

今回の2は、一言でいうとセバスチャンのセラピーゲームでした。

 妻子を失い、1の事件でボロボロになった彼の心。
それをSTEMを通して恐怖とトラウマを克服させて、更にスライド写真を見ながらキッドがカウンセリングし、過去の罪悪感や後悔を全部潰していく。
ユキコやエスメラルダ、マイラは勿論、あの幽霊でさえ、セバスチャンのセラピー的な役割を果たしてるのが印象的でした。
ED後のセバスチャンはまさに心身ともに健康であり、最強であり、もう二度と酒浸りの生活に戻ることは無いだろうと思えます。
なので、セバスチャンの再起物語としては本当に良い形でまとまってます。


ただ、それはあくまで2単体で見た話。
1と併せて考えてみると…う~ん??て感じです。


 2は1と違って良作という声が多数ある一方で、1にあったものをぶち壊したという批判の声もあることは知ってましたが、今回実際にプレイしてみて、どっちの声も正しいのではないかと思いました。


 多分、1が嫌いな人や新規の人には2は名作だと思う。
そういう人達は、きっとセバスチャンだけに焦点を合わせてるだろうから、メビウスが浅い考えの末にあっさり壊滅するのも、前作と齟齬らしきものがあるのも、さほど気にならないだろうと思うのです。

 だけど1好きな人から見れば、2は作品のテイストが変わり過ぎてるし、毒気が抜かれていて(これはSTEMに繋がれた人によって世界観が変わるので仕方ないかもしれない)、何よりセバスチャン個人の話を中心にしたせいで、1の設定や世界観が雑に扱われてる気がする。

 ルヴィクとセバスチャンは同じトラウマによりSTEM内で繋がりを持った為、最終的にルヴィクを止めるのもセバスチャンだろうと考えてたんだけど、セバスチャンは今回でトラウマを克服(帳消し?)しただけでなく、主人公としてもこれで最後と言わんばかりのEDだったものだから、「え?じゃあ最終的にルヴィクを止めるのはまさかキッドにする気?彼女はDLCの主人公にはなれても本編主人公の器でないのでは…」と大いに不安を感じちゃいました。

 1はSTEMの考案者であるルヴィクとメビウスの因縁にセバスチャンが巻き込まれるという話に対し、2はセバスチャンとメビウスで話が回っていて、サイコブレイクの物語と世界観を作ったルヴィクが関わってこないままメビウスが壊滅。

消化不良感が半端ないです。

なので、1好き&2肯定派の人であっても、今回の内容に諸手を挙げて称賛する人は少ないのではないでしょうか。

 ゲームに関しては、今回はマップの緩急がとても上手いと思う。
閉塞感を感じたり間延びを感じたりすることが無い。
その点は1より優れてると思うし、3でもこのバランスでやって欲しいと思いました。

難易度に関しても前作より緩和されていて、アクションがド下手な私は快適に動き回れサクサク進めるのが嬉しかった。
あのえげつないトラップも無いし。今回は時間が遅くなる程度の罠だから全然OK。
即死攻撃を持つ敵も頻繁に出てこない上、フィールドが広いからすぐに逃げ切ることができますしね。
まあ、ぬるま湯に浸かったようなこのバランスを嫌う人もいるでしょうけど…。 

 それと、今回はサービス要素がほとんど無いのが気になりました。
前回は登場人物のフィギュアがあったりお笑いイベントがあったりで、割と充実してたイメージだったのに。
DLCも、2をクリアしてから出てないかネットで検索したんだけど、今回は無いみたいで。
ジョセフやサイクスのその後の謎はDLCの布石だと思ったんだけどなあ。ジョセフは今何をしてるんだろうか。

 

後は、雑感をいくつか。

 

セオドア

このキャラの口車と演出は、本当に素晴らしかった。
カリスマ性を持つ口の上手い悪役というのはゲームでよくいるけど、あくまで設定だけの話でプレイヤーである自分が実感することはありませんでした。
でもセオドアは、セバスチャンの持つ弱さにつけ込みアメとムチで懐柔していこうとする様を描き切っててびっくりした。
映画「ミスト」のミセス・カモーディを思い出しました。
このキャラの演出と話は説得力があり過ぎる。
だからこそ、終盤の彼のしょぼい扱いには落胆。最後はセオドア自身と戦わせて欲しかったなあ。
 ところで、彼はSTEMが「真の恐怖を知り強大な力を手に入れる」という特性を持っていることを、理解してたんだろうか?

 

キッドの上司

この人、あくまでキッドの上司でメビウスのトップじゃないよね?
そりゃあ、かなりの地位にいることは確かだろうけど。
何でこの人が死ぬことで全てが終わったことになったのか謎過ぎるんですが。
しかも、ルヴィクに印をつけられて復讐の対象になってるだろうに、彼と対面する前にあっさり死ぬとは…。
 それに、メビウスという組織は何百年前から存在して、世界を股にかけた超法規的な巨大組織という設定だったでしょ?
そんなところのトップ達が、まだプロジェクトの実験段階でチップを埋め込むなんてするんだろうか。
 まあ1のDLC準拠で考えると、上司はSTEMで力を手に入れていて、キッドの中にも巣くってる筈だから、今回で完全に死んだ…というものでは無いとは思うけど。
もしかすると、この上司がSTEMを私物化しようと独断で動いてただけだから、メビウス自体は健在と考えれば辻褄はあう…かも?

 

キッドとマイラ

1のDLC時点だとキッドはマイラをメビウス寄りの人間だと思ってたんだよね?
じゃあ協力関係になったのはその後?
そしてSTEMに繋がれたマイラの肉体はどこに?
セバスチャンからすれば、彼女が死んだとしても埋葬したいだろうから、遺体は絶対に持ち帰る(おい)と思うんだけど…。

 

ジョセフ

2で彼のその後が明かされると思ったのに、生きているという情報以外は何も出てこなかった…私がイベントを見逃してるだけ?
サイコブレイクの登場人物の中で一番好きなキャラだから、とても楽しみにしてたのに。
実は最初からメビウスの一員だったとかどっかの組織のスパイだったとかいうオチにするのだけはやめて欲しい。
コンセクエンスとエクセキューショナーを見るに、人格を書き換えられてる可能性も考えられるけど。

 

幽霊

調べてみたらアニマという名前だった。
やっぱりルヴィク側の存在なんだろうか。
ルヴィクが言ってた「奴らの装置はまがい物だ」という言葉からするに、メビウスはSTEMの本当の使い方を理解してないという意味に聞こえるけど、そのヒントがこのアニマなのかな?
STEMは恐怖を前提に作られた装置だし。

 

タティアナ

元々タティアナはルヴィク側の存在なのかもと思ってるけど、今回も真相は明かしてくれなかった人。
でも、前作より抽象的な発言はしなくなった為、彼女とまともな会話ができて嬉しかった(笑)
ビーコン事件以外でもずっと見守ってたみたいなことを言ってたけど、ルヴィクの因子がセバスチャンの中に入っていることを示唆してるのかな?

 

オニール

こういう理系で口の悪い人っているよな~ってキャラ。
初対面は印象最悪だけど、嫌々付き合う内に悪い人間じゃないっていうのが分かってくるタイプですね。
そして、彼がセオドアに何を言われて信者となったのかは、容易に想像できる。
きっと、最初に自分を守ってくれ犠牲になった護衛に大きな罪悪感があったんだろうなあ。
イカーが死んだと聞かされた時のセバスチャンの言葉にもグサっときて、自分に戦闘スキルが無いことを情けなく思ったんだろうし。
そこを、セオドアに突かれて屈したのかも。
何だかんだ言って色々サポートしてくれた彼だから、死んでほしくなかった。ユキコも。

 

エクセキューショナーの肉屋の親子
2には出てこなかったけど、あれからどうなったのか凄く気になる。
パパはSTEMで死んでも現実の肉体はまだ生きてたから、今回のED後のマイラの肉体も生きてる可能性があるかも。

 

今のところはこんな感想。
ニ週目でファイルをコンプリートしたら、感想はまた変わるかな?

 私は、1を一時期考察まがいのことを続けてたぐらい気に入ってたんだけど、その一方で駄作扱いされても仕方ないとも思ってた。
まあそれは前作の感想で書いたから割愛するとして。
今回の2は、ゲーム性は文句ないんだけど、劇的なお涙頂戴の為に、前作の設定を微妙に改変してる気がして、なんか腑に落ちない。
サイコブレイク2に限らず、何故シリーズ物で主人公個人の話を作ると、前作までの設定をその主人公用に改変するんだろ?
今回は前作の主人公であるセバスチャンの為に改変してるから良いけど、これが別のキャラだったら「ハア?」となってたと思う。

 ともあれ、今回は快適に遊べたので、個人的な評価としては良作です。
セバスチャンもリリーとまた暮らせるようになって、良かった良かった。

3の主人公も是非セバスチャンにして欲しいです。