昔の私は、RPGの魅力がさっぱり分かりませんでした。
ドラクエをやっても、またその他のRPGをやってみても、「何が面白いんだろう?」と首を傾げるほど、このジャンルには魅力を感じなかったんです。
しかし。
そんな私にも、運命的な出来事が。
あれは私がまだ小学生の頃、愛読していた雑誌にあるゲームが画像と共に紹介されていました。
その名は「MOTHER」。
タイトルからして、普通のRPGとはちょっと違う雰囲気を感じました。
しかも、その画像(確か序盤の人形だか電気スタンドの場面)を見た途端ビビビッ!(古)ときまして。
RPGなのに、とても惹きつけられてしまったのです。
紹介文を読んでみると、どうも他のRPGとは違い、アメリカ辺りの町をモデルにしたような現実的な世界観。
主人公も、当時の私より年上の男の子が、PSIを使って世界の異変を探るというSFっぽい設定で、もう読んでるだけでワクワクしました。
私は「ロード・オブ・ザ・リング」のような世界観ではなく、まさにこういった身近な世界観のゲームがしたいと常々思ってたんですね。
だから、迷うことなくMOTHER購入を決意し、親に必死でおねだりして誕生日に買ってもらいました。
手にした「MOTHER」のパッケージは、赤い箱に「MOTHER」という文字が書かれた、至ってシンプルなもの。
だけどそれが逆に「特別なゲーム」という、一種の高級感を醸し出していました。
ファミコンで起動した時の衝撃は未だに覚えてます。
まずオープニングの曲で体が揺れ、そしてタイトルと共に地球が出てきた時に、目頭が熱くなったんです。(今でもこの曲やオープニングを見る度に目頭が熱くなります。ちょっと恥ずかしい)
その瞬間「このゲームは間違いない、ぜったい名作だ!」と思いまして。
直感は見事当たりました。
テレビゲームって、オープニングの出来で面白さが大体分かるから不思議。
いやでもホント、これに限らずMOTHERは名曲ぞろいですよ。
音楽も効果音も本当に優れていて、長時間聴こうが何度聴こうが全然苦痛じゃなかったし。
特にスノーマンの曲は、「雪国」って感じが良く出てました。
帽子を被ってリュックを背負い、バットを装備した男の子が、ほぼサポートのない状態で大人の世界に介入し、自力で大人達と交渉しながら問題を解決して、そして新しい町で新しい友達に出会い、彼らとともに冒険していく。
戦う敵だって現実的な世界観らしく、正気に戻したりおとなしくさせたりと、殺すこととは無縁だし。(まあだからっつーて、バットやフライパンで殴るってのもよく考えれば危ないものなんですが)
セーブも電話を掛けてパパにやってもらい、町へ移動する手段も電車でGOという、本当に子供っぽくて、でも微笑ましいもの。
世界観もストーリーも戦闘も音楽も、全てがカッチリはまったような調和のとれたゲームでした。
で、その後、MOTHERのお陰でRPGの楽しさのポイントを掴みまして。
その後は様々なRPGに手を出して、ドラクエも面白いと感じるようになりました。(といってもまともにやったのは5だけなんだけど)
だけど、やっぱりロード〜のような世界観は、未だに興味が持てないんだよなあ…映画そのものも観てないし。
…ゲームの世界観の話は近いうちにまた述べることにします。
ところでMOTHERで一番人気の曲ってったら、やっぱり「8melodies」なのかな?
私はそれも勿論好きなんだけど、でも一番思い入れがあるのはやっぱりオープニングの曲。
なのに曲名が分からないってのが、ちょっと複雑な気分なんですが。
歌付きアレンジならクイーンマリーの歌が好きだなあ。