今回はネタバレはしませんが、かなりキワドいです。
勘の良い人はすぐにピンとくるかと思いますので、まだこの映画をご覧になってない方は読まない方がいいと思います。
では。
凄いです。
何が凄いかって、ストーリーの構築が。
いわゆる「どんでん返し」を劇的にするには、如何に観てる者を「ミスリード」させるかがポイントだと思うのですが、この映画はそれが本当に上手くて、ストーリーテラーを目指す人なら絶対観なきゃいけないんじゃないの!?と思わせるほどです。
物語は二つの舞台で同時進行していきます。
ひとつは連続殺人犯の死刑執行の再審議を行っている会議室。
もうひとつは町外れにある豪雨に晒されたモーテル。
会議室で死刑囚の手記を元に死刑か否かを審議してる時、モーテルでは豪雨で行く道を塞がれ途方にくれている11人の男女が、事件に巻き込まれていくんです。
でね、結末といいますか、誰がモーテルの事件を起こしたのかは、そんなに頭を使わなくてもすぐに見当がつくんですよ。
カラクリ自体は、凄く単純なんです。
だけどね、この映画の凄いところは、「ああ、これが伏線か。○○なんだろうな〜」と思っていた者に、奇襲攻撃に近い形で虚をついて
「えっ、えっ?こういう展開ならあれは伏線じゃないっぽい?じゃあ誰がやってるの?!」
と、実にスムーズに間違った解釈へと走らせるんです。
その時点でもう、最初に予想していた人物のことは忘れてしまうんですね。
で、ラストになると
「あああーーーー!!最初の予想で合ってたのかー!!!」
ということになるんです。
犯人像が中盤辺りで予想がつくようになってるのも、こういう「思い込み」を強化させるためなんじゃないでしょうか。
今まで「ミスリード」で驚かされた素晴らしい作品(映画だけじゃないです)はいくつか観たんですけど、こうまで「ミスリード」という言葉を分かり易く、そして実感させてくれたストーリーって珍しいと思います。
というわけで、オススメ。