面白い・感銘を受けた・考えされられたということが、全くなかった映画。
てかどこに感動すりゃ良いんだ、これ。
主役3人のどいつにも感情移入できなかったぞ。
多分その原因のひとつは、あちこちに飛ぶ時間軸形式のピースの無駄ともいえる細かさ。
こういう手法は別に嫌いじゃないけど、この映画でやる意義がいまいち見えませんでした。
感情移入出来そうなシーンまで細かくぶつ切りにして、あちこちにばら撒かれてもね。
せめてもっと単純に…大き目のピースで物語を構成することを考えなかったのかな?
もうひとつはべニチオ・デル・トロとショーン・ペンとナオミ・ワッツの演技が、あまりにも熱すぎるということ。
とくにペンとナオミの演技は、くどく感じました。
なんででしょうね?この二人が物語中で熱くなれば熱くなるほど、3人の背負った不幸が大したことないように感じていくんです。
いや、実際は半端ない不幸な人達ではあるんだけど…。
もうちょっと抑え目に演技してくれてたらなあ。
この映画のバラバラ具合が、神の視点を表してるつもりなのか、冷めた傍観者の視点のつもりなのか、人間の脳内の記憶という観点で再現してるつもりなのかは分からないんですけど、私には好奇心まるだしで高いところから見物している野次馬のそれにしか見えませんでした。
それには優しさも厳しさも存在せず、制作側の意図や物語を深く考える気も起こさせない、俗っぽいもの。
最後に「21グラムは魂の重み〜」なんてネタばらしをしても、「そんなことを言うためにグダグダした人間劇を今まで見せつけたのか」
としか思えませんでした。
人の人生の重みや不条理さを描いてるのにも関わらず、ここまでなんにも心動かされなかった映画も珍しいです。