うん、しみじみと、良かったです。(なんじゃそりゃ)
ただの観客の裏を描くことだけに執心してない、全体的に目が行き届いてる映画だなあと思いました。
現実と虚構のアダプテーションは、分かりにくいようでいて分かり易かったです。
それは物語の構成が単純だという意味ではなく、ちゃんと観客に一回目で分かるように工夫された作りになっている、ということ。
多分、どんなに鈍い人(それは私です)でも、この映画の肝というべきものは、一度目で把握できるんじゃないかな。
実は前作の「マルコヴィッチの穴」には、ちょっと拒否反応を起こしてたんですよ。
発想はとても面白いと思ったんだけど、純粋に物語として面白いのか・惹きつけられるかとうかと問われれば、「いや…」てな感じ。
だけどアダプテーションは、「マルコヴィッチの穴」のような発想を一般向けに改良して、さらに物語の面白さを加えようと努力した感じがして、好印象でした。
スタッフロールの後に出てくる脚本からの抜粋は、本当に彼が存在してたような余韻があって、しんみりしちゃったよ。
にしてもドナルド…、あんた良い男だよ、ホント。
デブだろうがハゲだろうが、そりゃ女が寄ってくるわ。
でも高校生の頃からあんなに悟った心境でいられる男なんて、現実にはどれだけいるんだろう。
そしてニコラス・ケイジ。
今更ながら、彼の演技の上手さを実感しました。
「ウェザーマン」とはまた違った駄目男を、ちゃんと演じてるんだもんな〜、スゴイ。