やっぱりキャラクターをリアルにするのなら、ストーリーも演出もそれだけリアルにしなきゃダメだよねえ…と、しみじみ思った映画。
リアルな設定とアニメチックな設定のバランスが取れてなかったと思います。
最初はCGで表現された超リアルな人間と背景に素直に驚嘆するんだけど、15分もすると段々その精密さに慣れて飽きてしまって。
そうすると後はストーリーを楽しむしかないんだけど、のぺーっと間延びした話が淡々と続いてしまうから、欠伸をかみ殺しながら観るはめになってしまう。
一応ひとつひとつのシーンをとって見れば、良いものはいくつかあるんだけど、そのシーンに行くまでの過程が本当に退屈。
しかも、中盤以降のファントムと攻防するシーンは、まんまゲームのイベント。
映画のノリから突然ゲームのノリに切り替わり、観てるこっちは「ああ、やっちゃった…」(何が。)と思ってしまいました。
やっぱり、FFはゲームだからストーリーもCGも惹きつけられるんだよね。
プレイヤーがキャラとシステムを使って仮想の世界観で遊ぶから、本来なら荒くてぶつ切りなストーリーも、飽きないし魅力的に思えるだけで。
CGだって所々のアクセントとして挿入されるから印象に残り易くて、もっと見たい!と思わせるんだろうし。
だから、ただのリアルCGを長時間見せ続けられても、「もう技術の凄さは分かったから、中身で楽しませて下さい…」とげんなりするしかないんだよね。
でも、ちゃんと「映画」として物語を組み立てようとしてたところは好印象でした。
どこまでもリアルな造形のキャラCGも、変なクセも媚びも無いし好みだな。