こつぶがゴロゴロ。

主にネタばれ感想を呟いてます。

生きてこそ

(過去に載せてたものその3)



実際にあった飛行機墜落事件を映画化したものです。


 墜落したアンデス山脈で、72日を過ぎてやっと救護された生存者達。


雪に囲まれた山脈に放置され、食料もほんのわずかしかなかった彼らがこの2ヶ月以上の間、どうやって生き延びられたのか?


 実はこの謎には衝撃的な事実が隠されています。その場面は結構淡々と描写されててエグイものではないんですが、繊細な人がこれを観ると2、3日お肉を食べられなくなるかも。


 ここまで書けば衝撃の事実がなんなのか、大体分かってくるとは思うんですが、文面をそのまま受け取って気持ち悪がらないように。←何様


 この映画はですね、そんな衝撃的な事実を通して「あ~、人間っていいなー」としみじみ思わせてくれる、珍しいタイプのものなんです。


倫理観や宗教の問題が生存者の間で激しく交錯して、その行為を行うことに至ったのは、決して理性を失ったわけではなく、理性を保った故の苦渋の選択だったということが、よく分かります。


 映画を見る前から、一応この事件のことは聞いていたのですが、こんなに劇的なものだとは思いませんでした。

映画だから脚色はされてるだろうけど、最後まで理性を捨てずに苦難を乗り越えてきた乗客達や、彼らを支えた何十人もの犠牲者に、なんというか、大げさなんですけど、人としての希望を見出せたような気がしました。


 ラストで流れる「アヴェ・マリア」には、涙腺を刺激されました。